環境への取組み

環境目標

本資産運用会社は、不動産投資運用業務における環境負荷低減に向けた取組みについて定めた「省エネルギーポリシー」、「温室効果ガス排出削減ポリシー」、「節水ポリシー」及び「廃棄物管理ポリシー」を策定しています。また、本資産運用会社はこれらのポリシーを運用するための詳細を規定した「環境管理システム(EMS)運用マニュアル」に基づく計画・実施・実績管理・改善のサイクルを通じて、環境負荷の継続的な低減を図っていきます。


本資産運用会社は、ポートフォリオ全体でのエネルギー消費量の継続的削減のための定量的目標を、エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)に則り、次のように定めます。

  • 長期目標1:オーナー管理範囲(注1)における年間エネルギー消費量原単位を2024年度までに2019年度から5%削減(各年度とは4月~翌年3月をいいます。以下同じです。)
  • 長期目標2:テナント管理範囲(注2)における年間エネルギー消費量原単位を2024年度までに2019年度から1%削減

温室効果ガス排出量については、エネルギー消費量の削減目標に従い、補正後スコープ1+2(注3)については2024年度までに2019年度から5%の排出原単位の低減を基本的な目標とし、補正後スコープ3(注4)及び補正後スコープ1+2+3の合計値については2024年度までに2019年度から1%の排出原単位の低減を基本的な目標としています。

水使用量や廃棄物重量については、2020年度から2024年度までの5年間において、2019年度対比で各原単位を増加させないことを目標としています。

サステナビリティ委員会において予実管理を行い、各環境目標の達成に向けた取組みを適宜検討します。なお、エネルギー消費量の削減及び温室効果ガス排出削減に関する取組み内容の対象範囲は、本投資法人のポートフォリオ不動産における、照明、空調、各種設備の使用によるエネルギー消費とし、具体的には建物の敷地内で消費される、1)購入した電力、2)都市ガス/LPガス等、3)重油/灯油/ガソリン等及び4)購入した蒸気、温冷水、地域冷暖房等をいいます。


なお、長期目標の進捗状況は以下のとおりです。


エネルギー消費量原単位(MWh/㎡)

2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
前年度比 前年度比 前年度比 前年度比 2019年度比
オーナー管理範囲(注1) 0.094 0.093 -0.7% 0.092 -1.6% 0.088 -3.8% 0.084 -5.0% -8.6%
テナント管理範囲(注2) 0.328 0.260 -20.7% 0.274 +5.2% 0.299 +9.3% 0.300 +0.2% -8.6%

温室効果ガス排出量(t-CO2eq)及び原単位(t-CO2eq/㎡)

2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
前年度比 前年度比 前年度比 前年度比 2019年度比
補正後
スコープ1
(注3)
総量 21 21 0.0% 17 -19.0% 17 -1.5% 12 -27.0% -41.7%
原単位 0.001 0.001 0.000 0.000 0.000
補正後
スコープ2
(注3)
総量 738 706 -4.3% 702 -0.6% 659 -6.0% 633 -4.0% -14.3%
原単位 0.041 0.039 0.039 0.036 0.035
補正後
スコープ1+2
総量 760 728 -4.2% 719 -1.2% 676 -5.9% 645 -4.6% -15.1%
原単位 0.042 0.040 0.040 0.037 0.036
補正後
スコープ3
(注4)
総量 30,645 23,818 -22.3% 25,003 +5.0% 25,801 +3.1% 25,908 +0.4% -15.5%
原単位 0.102 0.079 0.083 0.086 0.086
補正後
スコープ1+2+3
総量 31,405 24,546 -21.8% 25,722 +4.8% 26,477 +2.8% 26,553 0.3% -15.4%
原単位 0.099 0.077 0.081 0.083 0.083

水使用量原単位(㎥/㎡)及び廃棄物重量原単位(t/㎡)

2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
前年度比 前年度比 前年度比 前年度比 2019年度比
水使用量原単位 3.833 2.147 -44.0% 2.448 +14.0% 3.265 +33.4% 3.610 +10.6% -5.8%
廃棄物重量原単位 0.011 0.006 -44.4% 0.007 +19.6% 0.009 +33.3% 0.010 +3.3% -8.5%
(注1)
原則、本投資法人が保有する住居物件や商業物件の共用部を指します。
(注2)
原則、本投資法人が保有するホテル物件や住居物件・商業物件のテナント専有部を指します。
(注3)
スコープ1はオーナー管理範囲での燃料消費による直接的な温室効果ガス排出を対象とし、スコープ2はオーナー管理範囲で購入された電力や熱等による間接的な温室効果ガス排出を対象とします。また、集計期間に継続的に保有し、同一条件での比較に資するデータの取得可能な物件のみを集計対象とし、稼働率によって補正を行います。以下同じです。
(注4)
テナント管理範囲に由来する温室効果ガス排出を対象とします。
(注5)
各原単位は、ポートフォリオの中で2019年度の初日から2022年度末まで継続して運用し、同一条件での比較に資するデータの取得可能な物件(廃棄物重量原単位は52物件、その他は95物件)に基づきます。

環境管理システム(EMS)

EMSポリシー

本資産運用会社は、サステナビリティ方針において、当社が保有する不動産ポートフォリオを対象に、省エネルギー、GHG排出量削減などを重要な環境課題として認識し、これらの課題に取り組むことを掲げており、不動産投資運用業務における環境負荷低減に向けた取組みについて定めた「省エネルギーポリシー」、「温室効果ガス排出削減ポリシー」、「節水ポリシー」及び「廃棄物管理ポリシー」を策定しています。また、本資産運用会社はこれらのポリシーを運用するための詳細を規定した「環境管理システム(EMS)運用マニュアル」に基づく計画・実施・実績管理・改善(PDCA)のサイクルを通じて、環境負荷の継続的な低減を図っています。

<PDCAサイクルに基づくEMSイメージ図>

EMS_JP.JPG

環境パフォーマンス

本投資法人のポートフォリオの各年度(4月~翌年3月)における環境パフォーマンスは、以下のとおりです。

     
2019年度
実績
(注3)
2020年度
実績
(注3)
2021年度
実績
(注3)
2022年度
実績
(注3)
2023年度
実績
(注3)
カバー率
(注4)
対象物件数(注1) 152148 142 128 134 -
エネルギー
消費量
総量
(MWh)
273,223195,743 223,678 232,464 271,810 89.3%
原単位
(MWh/㎡)
0.358 0.261 0.300 0.322 0.347
再生可能エネルギー
(MWh: 総量の内数)
3,7973,695 3,505 4,355 3,465 23.1%
温室効果ガス
排出量
総量
(t-CO2eq)
80,618 58,250 63,321 65,222 76,768 89.3%
原単位
(t-CO2eq/㎡)
0.105 0.077 0.085 0.090 0.098
水使用量 総量
(㎥)
2,821,557 1,712,511 1,944,347 2,595,546 3,323,857 89.8%
原単位
(㎥/㎡)
3.637 2.253 2.578 3.582 4.226
廃棄物重量 総量
(t)
7,150 4,282 5,180 5,302 6,140 84.8%
原単位
(t/㎡)
0.010 0.006 0.007 0.007 0.008
リサイクル率
(注2)(%)
20.9 19.4 17.3 25.1 21.0
(注1)
期中取得・売却物件を含みます。
(注2)
リサイクル率(%)は、廃棄物からリサイクルを行った重量(t)を廃棄物重量の総量(t)で除して算出しています。以下同様です。
(注3)
実績値は本投資法人による各物件の保有期間に基づいています。共有物件については、投資法人による持分割合に関わらず 、物件全体の実績値を使用しています。以下同様です。
(注4)
カバー率(%)は、データが取得できた範囲の床面積(㎡)を該当物件の延床面積(㎡)で除して算出しています。

本投資法人のポートフォリオのうち、同一条件で比較可能な物件(注1)を対象とした実績値(注2)は以下のとおりです。

   
2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
前年度比 前年度比 前年度比 前年度比 2019年度比
エネルギー
消費量
(95物件)
総量
(MWh)
99,88779,523 -20.4% 83,550 +5.1% 91,122 +9.1% 91,220 -0.1% -8.7%
原単位
(MWh/㎡)
0.315 0.251 0.263 0.287 0.288
再生可能エネルギー
(MWh: 総量の内数)
2,1182,208 +4.3% 2,135 -3.3% 2,248 +5.3% 2,170 -3.5% +2.5%
温室効果ガス
排出量
(95物件)
総量
(t-CO2eq)
31,406 24,545 -21.8% 25,750 +4.9% 26,478 +2.8% 26,554 +0.3% -15.4%
原単位
(t-CO2eq/㎡)
0.099 0.077 0.081 0.083 0.083
水使用量
(95物件)
総量
(㎥)
1,213,482 679,860 -44.0% 774,985 +14.0% 1,033,493 +33.4% 1,142,806 +10.6% -5.8%
原単位
(㎥/㎡)
3.833 2.147 2.448 3.265 3.610
廃棄物重量
(52物件)
総量
(t)
3,275 1,820 -44.4% 2,177 +19.6% 2,903 +33.3% 2,998 +3.3% -8.5%
原単位
(t/㎡)
0.011 0.006 0.007 0.009 0.010
リサイクル率
(%)
23.1 26.5 +3.4pt 21.9 -4.6pt 21.2 -0.7pt 12.3 -8.9pt -10.8pt
(注1)
ポートフォリオの中で2019年度の初日から2022年度末まで継続して運用し、同一条件での比較に資するデータの取得可能な物件を意味します。当該期間中に取得・売却した物件や本投資法人として稼働率の開示を受けていない物件、休館により稼働率が0%となった月がある物件は、同一条件を前提とする補正が困難であるため、除外しています。なお、環境データの各項目の対象物件数は、各項目の下段括弧内に示しています。
(注2)
本資産運用会社による一定の補正が加えられています。

グリーンビルへの取組み

本投資法人では、環境・社会への配慮がなされた不動産であるグリーンビルへの取組みを推進するため、保有する物件において、以下のリノベーションを実施し、省エネルギー推進やCO2削減、水資源の有効活用等の環境負荷低減に効果的な設備の導⼊を行っています。

  • 大規模な省エネ設備の導入(冷温水発生器、温水ヒーター等)
  • プール排⽔再利⽤装置の導⼊
  • LED照明の導⼊
  • 節⽔型トイレの導⼊
  • 節水シャワーの設置
  • ガスコージェネレーション、インバーター等設置
  • 自動計測メータ―導入
  • BEMS導入
  • 高効率空調設備の導入
  • 敷地内再生エネルギー導入

グリーンリース

グリーンリースとは、不動産のオーナーとテナントが不動産の環境配慮に関する施策等に協働して取組むことを賃貸借契約等によって自主的に取り決め、その取り決め内容を実践することをいいます。本投資法人は、グリーンリースを積極的に採用し、合意したテナントと共に、保有物件の環境パフォーマンスの維持・向上を積極的に推進します。


本投資法人の国内ホテルポートフォリオの大半の物件を運営する株式会社マイステイズ・ホテル・マネジメント(以下「MHM」といいます。)を含むテナントとのグリーンリース締結実績(2024年3月末現在)
ホテル物件における物件数: 79
ポートフォリオ全体の延床面積に占める割合: 60.8%

テナント向けサステナビリティガイドの配布

「サステナブルなホテル運営」の取組事例を記載した書面をテナントであるホテルオペレーターに配布し、ホテル運営の環境負荷低減や利用客への環境意識啓発に取り組むことを呼び掛けています。

ホテルオペレーターの取組み

MHMは、ホテル運営にかかる省エネルギー推進・CO2削減のための様々な取組みや生物多様性の保全に取組みを実施しています。


環境省補助金(Shift事業)活用による省エネ工事

ホテルノルド小樽及びホテルマイステイズ札幌アスペンにおいて、環境省が推進する「工場・事業場における先導的な脱炭素化取組推進事業(SHIFT事業※)」による補助金交付が採択されたことを受け、2023年12月期に更新期を迎えた吸収式冷温水機などを撤去し、空冷ヒートポンプチラーを導入し、CO2排出量削減を目指します。

※我が国の2030年度温室効果ガス削減目標の達成や2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、工場・事業場での脱炭素化のロールモデルとなる取組み(削減目標の設定、削減計画の策定、設備更新・電化・燃料転換・運用改善の実施)を支援する事業

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ホテル運営にかかる省エネルギー推進・CO2削減のための様々な取組み

  • エコロジーを目的とした宿泊プラン「ECOプラン」
    連泊時にリネン交換不要とするプランの単価を下げ、宿泊客の利用を促進
  • 省エネ診断の実施
  • ホテル食材輸送に伴うCO2排出量削減(ホテルエピナール那須)
    栃⽊県内の農家や酪農家と提携し、栃⽊県外からの⾷糧調達を⼤きく減らすことによりCO2の削減に貢献
CO<sub>2</sub>削減量の試算の一例


EV充電インフラ「テラチャージ」の導入

脱炭素社会の実現へ向けた策の一つとして、MHMが運営する大半のホテルで、Terra Motors株式会社のEV充電インフラ「テラチャージ」を導入しています。順次全国のホテルへの導入を進め、環境保護とホテル利用者の利便性向上に取り組んでいます。

(2024年5月14日現在)

ホテルブランド 設置ホテル数 設置基数
ホテルマイステイズプレミア 3 5
ホテルマイステイズ 20 28
フレックステイイン 0 0
アートホテル 7 11
マイステイズコレクション 19 28
亀の井ホテル 29 58
合計 78 130
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生物多様性への取組み

ホテルエピナール那須
森林伐採が生態系に与える影響を低減させるために、ホテル開発時における樹木伐採を最小限に抑えました。2024年にオープン予定のブルーベリー農園エリアでは、伐採数を上回るブルーベリーの植樹を行い森林保全に努めています。また、昆虫や小動物が生息する豊かな自然林の中で体験できるアクティビティやネイチャーツアー等を提供しています。

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フサキビーチリゾートホテル&ヴィラズ
石垣島の豊かな自然を保全することを目的に、2022年6月13日より、客室内の一部アメニティを100%植物由来で海水中でも生分解される素材を使用した歯ブラシやヘアブラシ、また、ムギの廃棄部分からなる再生可能な生物資源を含有したカミソリに変更しています。あわせて、包材を紙製へ変更しプラスチック廃棄量削減を目指しています。

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その他のオペレーターによる生物多様性の取組み

ウェスティン・グランドケイマン・セブンマイルビーチ・リゾート&スパ
ケイマン諸島政府環境省と協同し、カリブ海で最も深いケイマン海溝における深海性海域保護区設置を目指す「Beneath the Waves Foundation」と連携。気候変動に対する自然科学的な解決策を見つけ、海洋保護に貢献する取組みを行っています。また、「The Cayman Islands Turtle Centre」と共に、ホテル宿泊者にウミガメの放流を行う機会を提供しています。ウミガメは、海の生態系だけでなく、ビーチや砂丘の生態系にも良い影響を与えています。ある程度の年齢のウミガメを放流することで、ウミガメの生存率を高め、健全な海洋環境に貢献しています。

ホテルオペレーターの取組み

MHMは、ホテル運営にかかる省エネルギー推進・CO2削減のための様々な取組みを実施しています。

  • エコロジーを目的とした宿泊プラン「ECOプラン」
    連泊時にリネン交換不要とするプランの単価を下げ、宿泊客の利用を促進
  • 省エネ診断の実施
  • ホテル食材輸送に伴うCO2排出量削減(ホテルエピナール那須)
    栃⽊県内の農家や酪農家と提携し、栃⽊県外からの⾷糧調達を⼤きく減らすことによりCO2の削減に貢献
CO<sub>2</sub>削減量の試算の一例